葬儀のいろは
葬儀のご経験というものは、そう何回もあるわけではありませんし、誰もが「分からないことだらけのお葬式」だと思います。だからこそ専門家である葬儀社に任せたい・相談したい、と考える一方で、葬儀に関しての知識も少ないまま、「葬儀社が言っていることが正しいかどうかを判断することができるだろうか…」と不安を覚える方も少なくないのではと思います。
ここでは、葬儀の流れや種類、基本的なマナーなどをご紹介致します。「葬儀の経験がなくよくわからない」という方も、基礎知識をおさえておくことで安心して相談できるようになって頂ければ幸いです。
葬
儀
の
流
れ
臨終
医師から死亡診断書を受け取ります
死亡診断書はスタッフがお預かりし、役所で「火葬許可証」の発行等の手続きを行います。死亡届のご記入はスタッフがご説明させていただきます。
搬送
病院(亡くなられた場所)からご指定の場所(ご自宅、安置所)へお連れします
お亡くなりになられた場所(病院等)へお迎えに上がります。ご自宅にご安置することが難しい場合でも、弊社安置所または提携安置所にてお預かりさせていただきます。
遺体安置・枕飾り
故人様のお体を保全し、お葬儀当日までご安置します
ご自宅にお連れした場合、お布団を用意し故人をお寝かせします。お線香を上げていただき、故人の好きなもの等をお供えして、葬儀の日まで供養します。ご自宅にお連れできない場合でも葬儀当日まで責任を持ってお預かりします。
連絡
身近な人から知らせます
故人の氏名、故人のいる場所、 連絡先を知らせ、葬儀の日時が決まり次第追って連絡する旨もしっかり伝えます。菩提寺のある方は葬儀日程を決めるにあたり、お寺様のご都合を伺います。
葬儀の打合せ
葬儀日程を決定し(式場、火葬場等の手配)、葬儀内容の打合せをします
参列することはあっても、喪主(取り決める立場)になることはそうありません。分からないことや不安なことだらけだと思います。時間を掛けて打合せをすることにより、疑問や不安を解消します。
故人をどのようにお送りしたいかをお聞きして、お葬儀に反映します(細かい内容等につきましては、ご予算に合わせ、実際に写真等を見ていただき、確認、決定をしていきます)。
※悲しみや混乱の中では、正しい判断がつきづらくなります。故人らしくお送りするためにも、事前にご相談されることをお勧めいたします。
葬儀日程が決まり次第、お身内やお寺様へ連絡をします
現金を用意しておきます(お布施・斎場費等)
納棺
故人をお棺にお納めします
仏衣(白装束)や生前、故人が愛用されていた洋服等も一緒にお入れします。
ご希望により、専門の納棺師を手配いたします
《古式湯かん》
たらいに逆さ水を張り、故人を清拭し、生前のお姿が偲べるような髪型やメイクを施します。白装束やご用意いただいたお洋服等にお着せ替えを致します。
通夜
故人と過ごす、最後の夜となります
一般的には、お寺様に読経を上げていただき、親族、参列者の順にお焼香をします。その後、参列者へのもてなしとして、通夜振る舞い(会食)をお召し上がりいただきます。
葬儀・告別式
故人の葬送の儀式であり、最後のお別れとなります
葬儀式は、故人が無事にあの世へと旅立っていただくための儀式となります。 一般的には、お寺様に読経を上げていただき、お焼香をします。その後、皆様でお棺を囲み、生前の愛用の品、お花等をたむけていただき、最後のお別れをします。
※初七日法要は式中に執り行うのが一般的です。
出棺・荼毘(火葬)・収骨
故人を霊柩車にお乗せし、火葬場へ向け出立します
火葬場併設の式場の場合は、お棺に続き徒歩にてのご移動となります。
火葬場にて故人を荼毘に伏します
故人を荼毘に伏した後は、皆様の手でお骨を拾い上げ、骨壺にお収めします
精進落し(会食)
参列者の方々への労をねぎらい、会食をします
斎場にてご収骨をお待ちいただく間に、会食をします。
帰骨・納骨
お骨と共にご自宅に戻り、四十九日、納骨までご供養します
後飾り祭壇を準備し、故人の好きなものやお花などをお供えし、四十九日(または納骨の日)まで、ご供養します。
※葬儀当日に納骨する場合もございます。
四十九日法要・忌中
亡くなられた日から数えて、四十九日(7週間)を過ぎる前に四十九日法要をします
- 法要の日時を決定します。
- 菩提寺へ依頼をします(菩提寺のない方は、葬儀社を通し依頼することもできます)。
- 四十九日をめどに納骨します。
- お香典をいただいた方、お世話になった方などへ、四十九日法要後、香典返しを送ります( 法要や納骨が無事に済んだことの報告や、お礼の挨拶文を添えます)。
四十九日までを忌中とし、亡くなってから1年を喪中とします
- 喪中はがきは、12月初めまでには出すようにします。
宗
教
ご
と
の
儀
式
の
違
い
仏教の葬儀
日本人の一般的な葬儀といえば、僧侶に読経を上げていただく仏式ではないでしょうか。亡くなった後、来世で仏の弟子になるというのが仏教の基本的な考えです。宗派ごとのしきたりやお寺の考えを尊重し、またご家族の想いも合わせて柔軟にサポートさせていただきます。ご自宅や斎場の他にお寺で葬儀を執り行うこともできます。菩提寺がある場合は、お亡くなり後すぐに葬儀の日程や戒名等の打ち合わせをします。菩提寺がない場合はご希望の宗旨の僧侶をご紹介いたします。
神式の葬儀
神道式で行う葬儀を「神葬祭」といいます。神道では亡くなった人は家にとどまって守り神の役割を果たすと考えられています。死の穢れを祓い清め不幸が起きない日常に戻す意味の儀式と、故人の魂を身体から移し、子孫を見守る守護霊になっていただくための儀式で構成されています。服装は仏式と変わりありませんが、焼香ではなく玉串奉奠になります。また、数珠も使用しません。不祝儀袋は蓮の花が入っていないものを使い、表書きは御玉串料または、宗教に関係なく使うことができる御霊前を使うとよいでしょう。神道では死を穢れと考えますので、神社での葬儀は執り行いません。神社とのお付き合いのない方には、神主様をご紹介いたします。
キリスト教の葬儀
キリスト教にはカトリックとプロテスタントがあり、葬儀でも儀式がそれぞれに違います。キリスト教では死は終わりではなく、天国で復活の日まで神様と過ごせる始まりの日と考えられています。カトリックとプロテスタントの葬儀の共通点は神父や牧師のお祈りと聖書朗読、讃美歌の斉唱があることです。焼香はなく献花を行います。服装は喪服が無難ですが、男性はダークスーツ、女性は地味な色のスーツやワンピースでよいです。仏式での葬儀のようにお焼香はありませんので、香典ではなく御花料を包みます。水引や熨斗は付けず白無地の封筒を使用しましょう。教会とのお付き合いのない方には牧師様(プロテスタント)をご紹介いたします。
友人葬の葬儀
「友人葬」は一般名詞で「友人が集まって行うお葬式」のことですが、現在では創価学会で行う葬儀のことを「友人葬」といいます。創価学会の友人葬では友人代表が儀典長として導師の代わりを担っています。そのためお布施や戒名が必要ないとされています。日蓮大聖人の仏法を重んじる創価学会の葬儀では、親族や友人でお題目を唱え、親族から順にお焼香をします。祭壇は魔除けとされている常緑樹のしきみが好まれますが、ご家族の想いやご要望も取り入れた生花祭壇にアレンジさせていただきます。
無宗教の葬儀(お別れ会)
無宗教の葬儀は、宗教者を招かずに行うお葬式で自由葬ともいいます。黙祷をささげた後、故人の好きだった音楽を流しながら、献灯や献花で故人の冥福を祈ります。ピアノやバイオリンの演奏者を呼び、生演奏で故人を送ることもできます。故人の傍に寄り添って、思い出のお話をゆっくりしていただきながら最後の時間を過ごしていただけます。ご家族の想いやご要望をお聞きしながら柔軟にサポートさせていただきます。
葬
儀
・
参
列
の
作
法
お葬式は人生最後の大切な儀式です。
「日頃のご恩に報いたい」「心を込めたお悔やみを申し述べたい」と思ってもすぐに言葉にならないことも多いのではないでしょうか。失礼にならない振舞いを心がけましょう。
訃報を受け取ったら
訃報を電話で受けたとき
- 訃報を受けたときには、通夜、葬儀、 告別式の日時と会場を聞いておきます。長話は避けましよう。担当葬儀社の連絡先を聞いておくと弔電や供物の手配がスムーズに行えます。
会社の対応を決めます
訃報が入ったら、直ちに会社としての対応を決め、すみやかに行動します。
- 弔電の有無及び発信者名
- 香典の額及び供花・供物の取り扱い
- 通夜の出欠と参列人数
- 葬儀参列者の決定と参列人数
- お手伝いなどの申し出
決定に際しては、前例や同じ立場にある会社と相談して決定することもあります。
関係により、とりあえず訪問します
- とくに関係が深い場合は、とりあえず駆けつけることがあります。このときは平服で構いません。
- 長話は禁物です。用事が終わり次第失礼するようにします。
弔電の打ち方
弔電の作法
- 葬儀の連絡を受けた時は、参列出来ない場合や、関係により弔電を打ちます。
- 弔電の宛先は喪主名とします。喪主名がわからないときや、関係により自社関係者宛に打つこともあります。
- 弔電の届け先は原則として、式場とします。ただし状況により、自宅に打っても構いません。
弔電の打ち方
- 弔電は午前8時から午後7時までの受け付けで、当日中に配達されます。
- 電話で弔電を打つ場合は、ダイヤル115にかけます。インターネットで申し込むこともできます。
香典の用意と供花・供物の手配
香典を準備します
- 香典金額を決めます。香典金額は社内規定や前例を参考にして決定します。
- 市販の香典袋を用いるときは、相手との関係や金額にふさわしい袋を使用します。
表書きと氏名を記入します
表書きは宗教によって変わります。「御霊前」は全ての宗教に用いることが出来ます。
- 仏式=「御霊前」「御香奠」「御香典」
- 神式=「御霊前」「御神前」「御玉串料」
- キリスト教式=「御霊前」「御花料」「御ミサ料」(カトリックのとき)
表書きの下に氏名を記入し、裏面には住所、金額を記入します。
供花・供物の手配
- 供花・供物は、ご遺族、または担当葬儀社に連絡して手配していただくとよいでしょう。
服装のマナー
- 通夜や葬儀に赴く場合、喪服を着用することが一般的です。本来、喪服や喪章は、ご遺族や近親者が身に着けることで「喪に服している」状態を表すものとされていました。しかし、現在では、参列する弔問客も喪服を着用することで、お悔やみの言葉だけではなく、故人を偲び、ご遺族の悲しみによりそう姿勢を示すことがマナーとなっています。
- 喪服で参列することが難しい場合は、スーツなどの平服でも問題ありませんが、できるだけ暗い色合いで揃え、無地で地味なデザインを選ぶようにしましょう。
男性の場合は…
- 光沢のない無地の黒いネクタイを着用しネクタイピンは付けません。靴はひもで結ぶタイプのものを選びましょう。エナメル製やローファーはふさわしくありません。
女性の場合は…
- 光沢のある素材のアイテムや革製品、結婚指輪以外のアクセサリーは身に着けないようにしましょう。
- ネックレスをつけていく場合は、真珠やブラックオニキスなどの一連タイプを選びます。
- 派手な髪形やメイク、ネイル、香水などは控えるようにしましょう。
- パンプスは布製か合皮製でかざりがなく、ヒールが5㎝以下のフォーマルなタイプを選びましょう。ピンヒールやミュールはマナー違反となります。
学生の場合は…
- 学校の制服で出席しましょう。学校によっては色合いがカラフルな制服や、チェックなどの柄が入っている制服もありますが、学生の場合は制服が正式礼装とみなされるため、どのようなデザインであっても問題ありません。
- 制服がない場合は白地のシャツに黒や紺のズボンやスカートを合わせるのがよいでしょう。
- 子供の場合は清潔であれば問題ありません。
焼香のマナー
- 焼香の回数は宗教、宗派によって1~3回と違いがあります。
- 順番がきたら、親族に一礼した後、ご霊前に一礼し、ゆっくりと丁寧に焼香します。
- 数珠は左手にかけ、右手の親指、人差し指、中指で抹香をつまむようにしましょう。
- 合掌した後、霊前に向かって一礼ます。
- 再び親族に一礼して終わりです。
参列のマナー
- 大切なご家族の死に際し、ご遺族は深い悲しみを感じていらっしゃいます。お悔やみは故人の死を悼む気持ちを込めながら、短めに伝えるようにします。
- 故人と親交が深かった場合は想いがあふれ、色々と伝えたくなるかもしれませんが、ご遺族の負担を増やさぬよう配慮しましょう。死因や故人の年齢によってお悔やみの言葉を変えることもありますが、こちらから死因を尋ねるのは控えましょう。
- 一般的なお悔やみの言葉として「この度は誠にご愁傷さまでございます。心からお悔やみ申し上げます。」と伝えます。
「通夜振舞い」とは
- 通夜に参列してくれた会葬者に、駆けつけてくれたお礼と、故人が生前お世話になった感謝の意でもてなす会食の場です。
- 故人を偲びながら思い出話をすることは、遺族の心を慰めると共に故人への供養にもなりますので遠慮せずに参加しましょう。
- ただし、知人同士で盛り上がったり大声で話をするのは禁物です。長居はせずに数十分程度で切り上げるようにしましょう。